■壁その1・・・苦しい。
ふだん運動していない人が一念発起してランニングを始めた場合、まず思い知らされるのが心肺能力の弱さです。
通常の生活ではめったに心拍数を上げる機会がないため、走りだしたとたんに苦しくなると、「やっぱりランニングなんて自分にはムリ!」と早合点してしまう人が多いようです。
これは、まだペース感覚がつかめないため、ついついハイペースで走り出してしまうことに一因があるのは明らか。とくに、昔スポーツを行っていた男性が陥りやすい罠でもあります。
心肺能力が人より特別劣っているわけではなく、単に走り出しのペースが早すぎるだけ。心拍数が上がって苦しくなるのは当たり前なのです。
「距離」を意識すると気づかぬうちにペースが上がるので、「時間」で走るよう心掛けると精神的にもラク。最初のうちは20分、次は30分。週末は45分に挑戦し、走りきれたら次の週末は60分走にチャレンジ!というように、段階的にクリアしていくと励みになります。
■壁その2・・・故障する。
これもランニングビギナーが乗り越えなければいけない大きな壁です。最初のうちは走るのが楽しくて仕方ないため、「ちょっと脚が痛いな」と感じても無理して走ってしまいます。
気づいたときにはすでにオーバーワーク。膝、足首、足底、ふくらはぎ、腰など体のあちこちに痛みが生じてしまいます。
痛みが出ると「やっぱりいい歳だから走るのはムリかな」なんて考え、そのままランニングをやめてしまう人が少なくありません。「ランニング=体のあちこちが痛くなる」のは当たり前の通過点と考えましょう。
ふだんまったく体を動かしていなかった人がいきなり「ランニング」というハードな運動を始めるわけですから、体のどこかを傷めないわけがありません。
痛みを乗り越えた先には、ランナーとしての基礎を備えた身体に生まれ変われます。故障中にムリして走るのはNGですが、そのままランニングをやめてしまうのもまた、じつにもったいない話だと思いませんか。