「ハンガーノック」とは、クルマでいえば「ガス欠」のこと。エネルギー(食べ物)の補給無しで運動し続けた結果、極度の低血糖状態に陥り体が動かなくなってしまう現象のことだ。
自転車は、人間の体の中でもっとも「筋肉」が集中している「大腿部」を動かし続けるスポーツだ。筋肉は体の中のエネルギーを燃やして動くため、自転車のペダルをこぐということはすなわち、極めて短時間で多くのエネルギーを消費することに他ならない。だからサイクリングは、もっともハンガーノックを起こしやすいスポーツの一つであるといえる。ほとんどのサイクリング指南書にも、「出発前には必ずエネルギー補給(食事)を」と書いてあるし。
そこで、やってみた !
ハンガーノックとはいったいどのような状態になるのか、身をもって体験してみた。実験方法は簡単だ。朝、何も食べずに自転車であてもなく出発。何キロ走ったら動けなくなるか試すだけ。とはいえ、これは危険極まりない行為であるため、以下の2点を条件に課した。
●水分(低カロリースポーツドリンク)だけはつねに補給し、脱水症や熱中症を防ぐこととする。
●体に少しでも変調を感じたら、実験は即中止とする。
スタート時(午前10時)は気温29℃で曇り。真夏のサイクリングとしてはまあまあの日和だ。最後に食事をとったのは前日の夜8時だから、じつに13時間ほど何も食べていない状態だ。
スタートして2キロ地点。体の変化はまったくなし。のども渇いていなかったが、念のため水分補給。5キロ地点。全身から汗がにじみ出てきた。信号待ちのたびに水分補給。8キロ地点でスポーツドリンクが無くなる。自販機で追加購入。10キロ地点。やや疲れを感じたものの、流れる汗が心地よい。12キロ地点から尻が痛くなり始める。これもいつもと同じ現象だ。15キロ地点に至ってもいつもと変わらない。むしろ爽快。
これまで自転車で遠出するときは必ず何かを食べてから出かけるようにしていた。今回初めて空腹のまま15キロを走り続けたが、ハンガーノックに襲われることはなかった。
で、調子に乗ったのがいけなかった。18キロ地点を過ぎたあたりで、突然カラダの力がガクンッと抜け落ちた。おかしいな、と思う間もなく、今度はズッシリと人ひとり背負っているような感覚に襲われた。徐々に違和感が増していったのではなく、何の前触れもなく急にカラダが動かなくなったのだ。頭が痛いわけでも吐きそうになったわけでもない。不思議なことだが、疲れはまったく感じなかった。カラダの力が抜けて動かない。ただそれだけだ。
未体験ゾーンの感覚に「こりゃヤバイ」と急いで自転車を止め、なりふり構わず歩道上に座り込む。しばらくボーっとしていると、目の端にコンビニの看板が映った。気力を振り絞って立ち上がり、なんとかコンビニ店内へ。何かに導かれるように、普段はぜったい買わないようなチョコレート菓子と豆大福を迷うことなく購入。なぜそれらを選んだのかは未だに自分でも分からない。おそらく防衛本能が「糖分を補給せよ!」と命じたのだろう。
店を出るやいなやチョコと大福をむさぼり食った。するとどうだろう、さきほどまでのカラダの重さが嘘のようになくなったではないか!大袈裟にいっているのではない。エネルギー(チョコ&大福)を補給したら、本当にすぐ回復してしまったのだ。「人間のカラダってこんなに単純なんだ」と、しみじみ実感。しかし、たまたまコンビニがあったからよかったものの、もしもなかったら今頃は・・・
結論。
空腹のまま自転車で走り続けると、
18km地点で突然ハンガーノックに襲われる(私の場合)。
実験終了。
※今回の実験はたいへん危険なので、よい子は決してマネしないでね。
posted by ingweb at 11:26
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